人間がへた

誰のためにもならないことだけ書きます。半径三メートルの出来事と、たまに映画と音楽。

「頑張らずにダイエット」←やかましいわ

さっき会社からの帰宅道中、電車で携帯見てたのよ。そしたらアプリの通知あるじゃないですか、あの上からシュッて出てきてスンッて戻っていく、ひょっこりはんみたいなやつ。毎回毎回「うざ」としか思わないんだけど設定変えるのもダルくて放置してるやつね。でも一応見ちゃうじゃないですか、内容。否応なく目に入るというか。

「やってるー?」みたいなノリで暖簾めくって「あ、満席だわ」って顔して去っていくサラリーマンとか居酒屋バイトは意外と気にかけてるでしょ。あ、まだ奥に席空いてますよお客さまー!みたいな。まあそれはどうでもいいんですけども。

そん時出てきたのが「C CHANNEL」という若年女性向けのキュレーションメディアアプリの動画ニュースだったんだけど、見出し文句が

【頑張らずにダイエット!!】痩せている子がやっている1日のルール!!

だったわけですよ。初めて太字機能使ったわブログで。二度と使わん。

いやもうシンプルに「はあ?」ですよね。お前何をゆうとんねんと。

まずそもそも「頑張らずに」と「ダイエット」て言葉が矛盾してるし。頑張らずにダイエットできてたらアメリカ肥満大国になっとらんわと。ほんまにそう思うなら製作者が責任持ってその動画引っ提げてアメリカ行ってこい。「頑張らずにダイエットする方法あるのわー!」つって国家的課題のソリューション掲示してきて欲しい。その覚悟と矜持を持ってコンテンツを作っているのか? そう問いたい。

何でこんなに逆鱗に触れてるかと言うと単純に最近太ったのよ。なんか最近ブスだなー太った気するなーと思って体重計乗ったら3キロ増えてた。そんで焦って痩せなきゃと思うわけだけど、そんな簡単に痩せられないからこれだけ世にはダイエット本やらダイエット食品やらが溢れてるわけであってね? それを差し置いて「頑張らずにダイエット!!」てなめとんかって話になるでしょ。

なので小論文レベルで怒りを以下書き散らそうと思います。引き続きよろしくお願い申し上げます。

ダイエットって本来の語源としては「生き方」とか「より健康で美しい体作り」を意味する言葉なんですよ。そこから肥満に端を発する病気や不便に対する「食事療法」とか「節制」に意味が転じて、現代は「痩せる」って意味だけが残ってしまった状況なんですよね。

だから最初「もしかして語源でいうダイエットのことか?」と思った。それならまだ分かる。無理ない節制、生き方、是非哲学的に説いてほしい。でも違うよねすぐ後ろに「痩せている子」って書いてんだもん0.2秒で分かったわ。むっちゃ現代的思考だわ。

こちとら痩せたいけど中々そうもいかないわけですよ。でもせめて「朝ごはんはサラダで済まそ」と思って毎朝毎朝オフィスの下のコンビニで「蒸し鶏と卵の野菜うんたらサラダ」を買ってデスクでモソモソモソモソ食べてるわけですわ。ゴマ焙煎ドレッシングで。ドレッシング無かったらそこらへんの牛や馬と変わらん食生活ですよ。あーわたしって人間じゃなくてリッチめな牛馬だったんだわ~て毎朝思ってるわ。

しかも300円くらいすんのに90キロカロリーくらいしか無いし。それが良いから買ってるんだけど腹落ちしない感覚はありますよね「300円出してエネルギー90って意味わかんなくない?」って思うもん。意味わかんなくない?

で、一応その動画をちゃんと観たわけです。内容を知らずに批判するのは道理に適ってないし。以下その内容です。

  • 寝起きに白湯を飲む
  • 朝にストレッチをする
  • 朝に足指マッサージをする
  • 朝食に酵素を取り入れる

アホか? と。この内容でよー【頑張らずにダイエット!!】てエクスクラメーションマーク二つも付けたなと。むちゃむちゃ頑張っとるやんけ。大体「ルール」って付いてる時点で課してるやん、自己に、責務を。

「頑張らない」の意味を履き違えている。こちらが求めているのは「毎日不規則かつ不摂生な生活を送り12時まで酒とつまみを摂取してそのまま帰宅就寝しても何等かの奇跡的効能が働いて痩せる」というものであって白湯だの酵素だの出た時点で「はあ?」となる。そもそも酵素ってなんやねん。

誰が「わたし朝起きてまず白湯飲んでストレッチからの足指マッサージして朝食には酵素取り入れてんのー」て奴に「へえ無理のないダイエットしてるねえ」って言うねん。学研ゼミか。

ていうかこのライター(動画メディアだけどプロデュースしてるのは基本ライターだと思うので以下ライターと記載)は朝の時間の貴重さを分かっているのか? 毎朝このルーチンをこなせる人っていらっしゃるの? 「早起きしたらいいやん」て言われてもこちとら毎朝6時前に起きてるわしばくぞ、となる。

何故この動画記事のライターはこんな矛盾溢れるコンテンツを作るに至ったのか? 以下はこの疑念について考察していく。

 1.読者を騙そうとしている

あり得ない。これはライターとして失格なので除外。人に情報を伝える側の人間としてモラルを失った人間はいないはず。

 2.心から「頑張っていない」と思っている

上記の「朝に白湯を飲む」「ストレッチをする」「酵素を取り入れる」等に関して、心から「普通にできるレベルのもの」と思っているライターを想定。

恐らくこの場合、ライターは毎朝4時に起きて皇居周りをジョギングした後に会員制スポーツジムに行ってもう一汗流し、サウナと風呂を経由したあとにバッチリ決めて出社する完璧人間タイプ。周囲の人間の無能さが理解できず「どうしてこんなことも出来ないでおじゃる?」と平安貴族的な口調でドン詰めするタイプ。ちなみに平成貴族のイメージはおじゃる丸参照。

3. 悲しい過去を持つライター

心の清い、健康な人間であった。現代の病理的風潮である「痩せていることが美しい」という価値観に殺戮されたうちの一人の女がいた。女は別段醜いわけでも美しいわけでも無かったが、女は常にどうも説明できない劣等感と居た堪れなさをひしひしと感じていた。女は言う。

「最近太っちゃったの」

女の友人が言う。

「へえ、それは最悪だね。それで、どうしてんの?」

「朝起きて、あったかいお湯を飲んだり、身体をほぐして血行を良くしたりして、頑張ってはいるの」

女の友人は軽蔑を口の端に張り付けて投げ捨てるように女に語り掛ける。

「そんなことしかしてないんだ」

「そんなの頑張ってるとは言わないよ」

「誰だって当たり前にやってることじゃない」

こんな奴は友達じゃないので付き合うのを辞めた方が良い。単純にそう思う。

まあ、普通に考えると①だと思います。

ビジネスだしね分かる分かる~って感じ。Amazonの「期待を込めて星5です!」的な他者評価ね。

まあなんでもいいんじゃないでしょうか。

めんどくさくなってきたし酔いたいのでもうやめます。

でも二度と「頑張らずにダイエット」なんて言葉が世界で使われないことを祈ります。